ちょっと行ってみたくなる歯医者さん

わたしは、歯医者さんが苦手です。治療中の歯を削る「キュイーンキュイーン」という音と歯の振動。急に襲うキーンとした痛み。長い時間口を開けている苦痛。わたしに限らず、医者さんが好きとという人は少ないのではないかと思います。できたら行きたくない。でも大人になった今、虫歯らしき歯をみつけたら、「えいや!」と覚悟を決めて、なるべく早めに歯医者さんに行くようにしています。もたもた治療しないでいて、虫歯を悪化させ、あまり好きでない歯医者さんの治療が、もっとやっかいな治療をうけなくてはならないようになったら困るからです。歯医者さんは気に入ったところを見つけて、もう5年そちらでお世話になっています。

受付の助手さんが愛想がないのが、少しきになりますが、先生は親切に、わかりやすく説明してくれ、痛みに弱い人が自己申告すると、積極的に局所麻酔も使ってくれて、安心してお任せできる感じです。そんなある日、自宅から15分程の住宅地を車で走っていると、ある看板が目にとまりました。縦書きの細い看板で「たの歯科医院」と書いてありました。歯科なんだから歯医者さんなんだろうけど、、、。楽しいと、歯科をかけてたのしか医院?患者さんにとって、リラックスして治療を受けられ、歯が綺麗になる楽しいところだからの思いを込めて、たのしか医院?

なんだか、その看板をみただけで、どういう意味なのか、どこまで遊び心でネーミングしたのか?と、しばらくの間、頭の中でグルグルグルグルと考えてしまいました。
この、たの歯科医院が、もっと自宅から近ければ、わたしはきっと行ってみたと思います。どんな先生が、どんな治療をしているのか、見てみたい気持ちがあるからです。ですが、ちょっと通うには遠いのと、今通院中の歯医者さんを気に入っているので、たの歯科医院に行く予定は、今のところありません。ですが、縦書きのあの、歯科の看板を見た事で、こんなにその病院の事をイメージし、興味を持ったのは、私だけではないはずです。そう思うと、あの歯医者さんのネーミングセンスは素晴らしいとつくずく思わされるのでした。