老朽化したビルの諸問題

いま東京には、ひっきりなしに真新しい高層ビルが無数に林立していますが、かなり古い建物もかなり残っています。
さすがに明治以前の建物は少なくなりましたが、昭和の初期に建てられた老朽化したビルは、かなり残っている状況です。強度が十分であると言っても、大きな地震では倒壊したり一部破損するおそれはあります。2011年の東日本大震災のときにも、昭和9年竣工の九段会館の天井が崩落し、死傷者が多数出ていました。
こうした震災の被害を食い止めるためにも、老朽化したビルの検査やメンテナンスは必要になります。

老朽化したビルでは、ビルの清掃やメンテナンスをする上では、厄介な問題は他にもあります。たとえば水回りの設備からの水漏れや、各所のひび割れといった問題です。これは建物に埋め込まれている水道管や、用いられているコンクリートの劣化によるものです。
どんなに建物を維持しようと努めても、劣化を完全に食い止めることは不可能なことです。ビルの設備の改修を行うか、建て替えを行うかという話になってきます。老朽化したビルの価値が高い場合には、保存が図られることもあります。

ビルの清掃やメンテナンスの時に問題が見つかることが多いので、清掃とメンテナンスは欠かすことができない作業になります。作業員は掃除のことだけでなく、そうした老朽化による諸問題にも気づきやすい立場にあります。一般の社員などが気にもしない場所にも、視線を届かせているからです。