ちょっと変わった目的で生け花を習いに来ていた学生さん

小学生の頃、生け花の先生をしていた祖母の家に遊びに行くといつでもお花の生徒さんが出たり入ったりしていました。

最近ではフラワーコーディネーターなどのちょっとかっこいい花の資格もありますが、根本は一緒なのだと思います。目指しているのは自然を生活に取り入れセンスを磨いてこころのゆとりを手に入れること、感謝や喜び、おもてなしの気持ちを形にして誰かを幸せにすることだと思います。

生徒さんの中には将来は大きな料亭の後を継ぐ男子学生さんもおみえでした。料理の修行じゃなくて生け花?と不思議に思ったものですが、なんとなく納得がいくような気もします。もちろんお料理に味は大切なのでしょうが、器だとか盛り付けかたなどにセンスが光ればひとまわりもふたまわりも美味さが増すのではないでしょうか。盛り付けの資格や器の資格などありませんし、それだけをどこかで習えるものでもありません。筋のいい生徒さんだと祖母が教えてくれました。きっと今頃はお客様の前に立ち、腕をふるった料理を抜群のセンスで盛り付けてお客様を喜ばせていることと思います。花の資格を男性が取得し、生け花の師範以外の分野でそれを活かすということがとても新鮮で、幼い私にはセンセーショナルな体験でした。