新宿タカシマヤが、長年の私の遊び場です

私は学生時代、新宿でアルバイトをしていたこともあり、新宿タカシマヤ・タイムズスクエアの中とその周辺を見て回るのが趣味です。とりたててお買い物をしなくても、天気の良い日などにのんびりぶらりと歩いて楽しめる気楽さがあり、40代になった今も、ときどき遊びに行きます。

まず、タカシマヤ店内で気軽に楽しめることといえば、やはり他の百貨店同様、デパ地下です。

 

タカシマヤのデパ地下には紀伊國屋スーパーが入っています。私は海外輸入食品にとても興味があるので、紀伊國屋それから成城石井のようなスーパーは、まるで遊園地にいるかのような気分で楽しめます。よく購入するのは、紅茶・ハーブティーなどの嗜好品と調味料、それから飴やクッキーなどのミニサイズのお菓子です。先日行ったときは、マーマイトという、イギリスの食品を買ってきました。

それから、紀伊國屋と同じフロアに入っているサンドイッチ店やベーカリーも大好きです。フォションも入っており、ときどきデニッシュパンや甘い甘い菓子パンをひとつふたつ購入します。

 

タカシマヤの1213階は、屋上につながるテラス空間のようになっています。私はここでくつろぐのが大好きです。デパ地下で買ったパンやクッキーをそこで食べながら、大きなガラス窓の向こうに広がる新宿の街並みをぼんやりと眺める…というのが  だいたいの休憩パターン。ただし、お昼時だと同じことを考えてやって来るお客さんも多く、あまりゆっくりとはできません。かなり騒々しくなるときもあるため、時間を間違えると楽しめません。

そんなときは、手早く軽食を済ませ、思いきってタカシマヤ本館を出て別館へ移動です。別館には紀伊國屋書店・新宿南舘があり、書籍を思う存分眺めたり、1冊何か買ってくることもできます。

私は学生の頃から、この新宿南舘店舗を利用してきました。本館よりも待ち合わせに利用しやすく、友人と会うときはいつも6階の洋書売り場を集合場所と決めていました。

 

ただとても残念なことに、先日久しぶりに行ってみたところ、現在ではこの6階の洋書売り場しかフロアがないのです。なんでもテナントの賃料交渉がうまく行かず、洋書売り場以外のフロアは営業撤退となったのだそう。なんだか、思い出の場所が削り取られてしまったような寂しさを感じました。

タカシマヤ本館と別館それぞれを探索したあとは、地下鉄の最寄駅改札につながる地下通路をひたすら歩いて、帰宅の途につきます。この地下通路は他の通路に比べるとマイナーなのか、それほど歩いている人を見かけません。かといって別段物騒なわけでもなく、私はいつもこの通路をてくてくのんびり歩きながら、その日あった出来事を振り返ったり、帰宅後に行う家事や在宅ワークのことをあれこれ考えつつ、地下鉄の駅に向かい帰途につくことにしています。

 

近年、高速バスの発着所である『バスタ』ができたり、『NeWoMan』のようなショッピングビルができたわりには、甲州街道からタカシマヤ近辺に至る部分の雰囲気は、20年前とそれほど変わっていません。学生時代のアルバイト先が入っていた某大手企業のビルも、昔のままです。ひとつだけ当時と違うのは、大学時代の友人とは遊べなくなってしまったこと。仕事や結婚などで地方に引っ越してしまったり、お互い忙しくて時間をすり合

わせることが難しくなってしまったためです。そこだけがとても寂しいですが、思い出に浸りながらひとりで新宿~代々木周辺を歩いて回るのも、悪くはありません。先にも記したように、紀伊國屋書店が規模を縮小してしまった以外は、さして思い出が消されてしまった場所もないので、安心感と懐かしさでリラックスできるんですよね。こういうお気に入りの場所やエリアが今でも残っているのは、本当に感謝、感謝です。